コラム > 電子デバイス > 水晶振動子 > 低CL発振子
超低消費電力マイコン専用の低CL発振子のご紹介
4. 32kHz水晶発振器の低消費電力技術の紹介
(
2009/07/17
)
1
32.768kHzの音叉振動子を使った一般的な低速標準回路(負荷容量が12.5pFの発振器)を例に、低消費電力化が如何にして実現できるかを簡単な発振回路を使ってわかり易くご紹介します。図1に示すCMOSインバータを使った発振回路に電流計(デジタルマルチメータTR6848)を接続して、実際に発振器の消費電流(平均値)を測ってみます。
標準発振回路の発振開始電圧は1.2V(発振停止電圧は0.97V)でしたので、電源電圧を1.2Vから2.4Vまで変化させ、その間の発振器の消費電流を測定しました。消費電流は、図2のグラフに示しす様に2次の近似曲線との間にずれがあるようで、特に2.6V以上で緩やかな曲線となっており、(Vdd-Vth)nとすると係数n<2の様にみえます。しきい値電圧Vthを考慮せずに電源電圧Vddを低くしたためかもしれませんが・・・・。これ以上考えても何もみえてこないので次に進みます。

負荷容量が12.5pFの標準発振回路は、電源電圧が1.5Vから1.9Vの範囲で適正な発振性能(起動性と安定性)が得られる様です。故に適正な電源電圧範囲において、負荷容量12.5pFの発振器にて消費する電流はIsub=2.14μAから12.7μA程度は流す必要があると云えそうです。参考までに、3種類の電源電圧仕様(1.5V,1.6V、1.8V)における負荷容量12.5pFの発振器の特性例を表1にまとめました。

以上の計測の結果から、低消費電力化技術へのアプローチで最も効果的手法は、動作電圧の低減であると云えます。CMOSデバイスは、信号のオン・オフ期間(遷移時間)以外では直流電流は流れないという特長があり、低消費電力に有利であるといわれています。直流電流がほとんど流れないとすると、適正な回路での消費電流は、負荷容量の充放電成分で決まってしまうことになります。
動作時の充放電による電力消費は、動作周波数F×負荷容量CL×信号電圧Vd×電源電圧Vddに比例する
と考えられ、CMOSの消費電力はほぼ電源電圧の2乗に大きく依存することになります。従って、CMOS発振器の超低消費電力化を実現する有効な手法は、動作周波数が同じであるならば、『電源電圧の低減と負荷容量の低減』を同時に行うことであるといえます。
CMOS発振器の消費電力の低減例として、電源電圧を1.8Vから1.2Vに低減した後、負荷容量を12.5pFから3.7pFに低減したら、如何ほどの効果が期待できるのかを実験で確かめてみます。
CMOS発振器の消費電力の実験結果は、表2に示すとおりです。

- 0. SIIの低CLワールドへようこそ!! ( 2009/07/06 )
- 1. 電池の寿命とは ( 2009/07/06 )
- 2. 待機電力とは ( 2009/07/06 )
- 3. 発振の起源とは ( 2009/07/06 )
- 4. 32kHz水晶発振器の低消費電力技術の紹介 ( 2009/07/17 )
- 5. 増幅回路の消費電力 ( 2009/08/31 )
- 6. 発振利得(ループゲイン)と発振余裕度 ( 2009/09/17 )
- 7. 相互コンダクタンスと負荷容量の適正化 ( 2009/10/14 )
- 8. 低CL水晶発振器の省電力実証実験【特集】 ( 2009/11/06 )
- 9. 発振余裕度と発振起動時間の強い相関性 ( 2009/12/03 )
- 10. 低CL発振子の周波数感度 ( 2010/01/05 )
-
11. 外部容量Cextの静電許容差による発振周波数バラツキ
(近日掲載予定)
ルネサス エレクトロニクス製
R8C/Lx シリーズ
- R8C/L35A R8C/L36A R8C/L38A R8C/L3AA
- R8C/L35B R8C/L36B R8C/L38B R8C/L3AB
78KO/Kx2-L
- 78KO/KC2-L
78KOR/Kx3-L(1)
- 78KOR/KC3-L
- 78KOR/KD3-L
- 78KOR/KE3-L
78KOR/Kx3-L(2)
- 78KOR/KF3-L
- 78KOR/KG3-L
78K0R/Lx3
- 78KOR/LF3
- 78KOR/LG3
- 78KOR/LH3








