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超低消費電力マイコン専用の低CL発振子のご紹介
5. 増幅回路の消費電力 ( 2009/08/31 ) 1

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 前回の低消費電力技術の紹介に引き続き、負帰還抵抗Rfで構成されるCMOS増幅回路の消費電力PACについて紹介いたします。CMOSに於ける動作時に消費される電力には、負荷容量の充放電の際に消費される電力Pcdがあります。それとは別に入力電圧の変化により、CMOSインバータを構成するPMOSとNMOS両方が半導通状態となり電源VddからGNDへ過渡的に貫通電流が流れて消費される電力Pdpがある。<PAC=Pcd+Pdp(μW)>

 はじめに、CMOSインバータ回路に電源と電流計を図1の様に接続し、入力条件に於ける出力波形の遷移時間と動作時の消費電力(電流)の関係について確認します。負荷条件は無負荷(寄生容量のみ)とします。ここで、遷移時間を定義します。出力信号がVddの10%から90%に遷移した時間Tを立上り時間、Vddの90%から10%に遷移した時間を立下り時間としました。下図参照のこと。


 正弦波と矩形波をCMOSインバータに入力すると、出力波形の遷移時間(立上り,立下り)に大きな差異が生じました。遷移時間が長いほど動作時の消費電流は増加しています。無負荷時の於ける消費電流の増減は、貫通電流の平均値の増減にて生じると考えられます。


 以上の結果を踏まえ、CMOS増幅器の動作時の消費電力と遷移時間(立上り)の相関について示します。図2のCMOS増幅器に於いて、電源Vdd(=1.6V)を加えると、電源からCLVdd2のエネルギが供給されます。エネルギの供給により、PMOSのON抵抗を通過して流れる電流はCLを電源電圧Vddまで充電しようとします。一方、Rfを通過する電流はゲート容量CをVddまで充電しようとします。その結果、抵抗Rfの両端の電位差は、ゼロに近づき出力は約Vdd/2の一定な電圧(動作点)で安定化します。


 CLに蓄積されたエネルギはCLVdd2/2となっており、残りの半分は、PMOSのON抵抗(数10kΩ)を通過する際に熱損として消費された事になります。当然ながら、放電の際は充電エネルギがNMOSのON抵抗を通過するので充電エネルギは全て熱エネルギとして放出されます。すなわち、一回の充放電で消費される総エネルギは供給エネルギに等しい。入力信号の周波数fに対する1秒当りの充放電による消費電力Pcdは、Pcd=CLVddのf倍(1秒間にf回の充放電が起こる)ということになります。
 充放電の際には、PMOSとNMOSは同時に半導通状態となるので過渡的に電源からGNDへ貫通電流が流れ消費されます。貫通電流による消費電力Pdpは、Pdp=Vdd×平均電流×遷移時間のf倍で表せると考えます。すなわち、遷移時間が長いほど貫通電流による消費電力は増えることになり、図1の実験に一致する。
 CMOS増幅器の入力に矩形波を入力したときの動的消費電流IACと遷移時間(立上り)の負荷容量特性の実験結果をそれぞれ図3と図4に示します。Rf抵抗分による熱損は10MΩ以上では影響は少ない様です。回路のRf損失を含めた動作時の消費電流IACは、IAC=Icd(CL)+Idp(T)+IRF(一定)の関係が成立つ様です。IAC(10MΩ)-IAC(open)は、CLによらず0.08uA一定。32kHz低速発振に於けるRfは10MΩ以上必要なので、上式が使えそうです。IdpはCLが1pFから27pF内でほぼ一定値(0.15uA)、CL>30pFではIdpはCLに依存し減少傾向有り。


 CMOS増幅器のエネルギ消費は帰還抵抗Rfを含めた回路抵抗(PMOS、NMOSのON抵抗)による熱損失です。エネルギ消費低減の為の断熱的論理回路技術が紹介されています。この回路方式は電気エネルギの回収と再利用ができる大変興味深い技術であり、将来に期待が持てそうです。



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        (近日掲載予定)

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